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大学生活編②(薬学部の薬科学科と薬学科って何が違うの?)

2023年3月8日

こんにちは、薬学部薬科学科のyogurt(ヨーグルト)です。

 この記事では、薬学部の薬科学科と薬学科は何が違うの?という疑問に対して、実際に薬学部で過ごして培った知見を踏まえて両学科の相違点について説明していこうと思います。

1つ目の相違点:卒業までの年数と進路

 1つ目の相違点は卒業までの年数と進路です。薬科学科は学部を4年で卒業できますが、薬学科は学部の卒業には6年かかります。しかし、実際は薬科学科を4年で卒業して製薬企業に就職することは非常に困難なため、ほとんどの薬科学科の学生は2年間の修士課程に進学します。そのため、どちらの学科であっても最短で就職までに6年といったイメージで大丈夫だと思います。

 次に、薬科学科で修士卒の方や薬学科卒の方は博士課程進学か就職かの選択がやってきます。薬科学科の修士卒における3年間の博士課程進学率は約20%、薬学科卒の4年間の博士課程進学率は約1.5-2.9%となっており、大部分の方は就職の道を選んでいることが分かります。また、卒業後の進路としては、薬科学科は企業就職、薬学科は薬剤師免許を活かして病院や薬局が主な就職先になっています。

2つ目の相違点:履修科目と伸ばす能力

 2つ目の相違点は履修科目と伸ばす能力です。

 大学では、選択科目、選択必修科目、必修科目などと科目は分類されています。そして、今回説明する選択必修科目とは大学が指定する科目の中から決められた単位数を修得しなければいけない科目であり、必修科目は言葉通り必ず修得しなければいけない科目となっています。(大学によっては呼称が異なるかもしれません。) 薬学部の専門科目も同様に分類されていますが、薬科学科と薬学科では選択必修科目と必修科目の数が大きく異なります。大体の割合として、薬科学科は選択必修:必修=7:3、薬学科は選択必修:必修=2:8となっており、両学科で必修科目として共通している科目もあれば、薬学科では必修科目であるものの薬科学科では選択必修科目となっている科目が多くなっていたりします。そのため、薬科学科は必修科目を学びつつ、自分の興味のある分野の選択必修科目を積極的に履修して苦手な分野の選択必修科目の履修を極力避けたりと、ある程度自分に合った科目を履修していくことが可能です。しかし、薬学科は必修科目が多いことで時間割の自由性はあまりないため、時間割を自分好みにすることが難しいという特徴があります。

 次に、伸ばす能力に関して、薬科学科は研究力に重点を置いていますが、薬学科は薬剤師の業務に必要とされる職業的能力を伸ばすといった感じで違いが出てきます。実際、薬科学科は3年次に研究室配属されて修士や博士課程に進学する場合、卒業までに多くの時間を研究活動に割くことが可能になるため、薬学の研究を行い研究職や開発職に就職したいといった方には薬科学科がおすすめです。そして、薬学科も三年次に研究室配属されるものの学年が上がるにつれて実習や薬剤師国家試験のために割く時間が多くなってしまうため研究活動には時間をあまり割けませんが、薬剤師としての実践的な技術を習得したいといった方には薬学科がおすすめです。

 また、どちらの学科も大学院に進学することで研究活動に時間を割くことは可能ですが、薬科学科の場合は学部4年+大学院(修士2年+博士3年)で計9年薬学科の場合は学部6年+大学院(博士4年)で計10年と、博士課程進学までした場合の就職までの年数と研究活動に重点を置ける年数が異なるといった特徴があります。

 まとめとして、研究活動に専念してより専門性を高めていきたいとといった方には薬科学科、研究活動に専念することはあまりできないものの薬剤師としての実践的な技術を習得したいといった方には薬学科がおすすめです。

参考になったかわかりませんが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

読んでいただいた皆さんの助けになれば嬉しいです。